【構造】11.荷重・外力
荷重・外力は主に風や地震、自重などによって建物に負荷のかかる部分についての範囲です。
例年だと1〜2問程度の出題となっています。
目次
1.床の積載荷重
2.風
3.多雪区域
4.重量
1.床の積載荷重(R.1 H.30,29,27,24,22)
床の積載荷重について覚えることは4つ
①「床の構造計算をする場合」、「大梁・柱・基礎の構造計算をする場合」及び「地震力を計算する場合」の3種類があり、大小関係は『床 > 大梁・柱・基礎 > 地震力』である
②実況に応じて計算する場合は基準法で定められた値より大きくする必要がある。(床の構造計算をする時には柱や地震力の数値は使えない)
③倉庫は実況に応じて計算した場合でも3900N/㎡以下にすることはできない
④具体的な数値
(5以外は柱等が支える床の数に応じて積載荷重を低減できる)
実際の過去問(クリックすると開きます)
- 店舗の売り場に連絡する廊下の床の構造計算に用いる積載荷重は、建築物の実況に応じて計算しない場合、店舗の売り場の床の積載荷重を用いる事ができる。【☓】R1
- 単位面積当たりの積載荷重は、建築物の実況に応じて計算しない場合、「床の構造計算をする場合」、「大梁・柱・基礎の構造計算をする場合」及び「地震力を計算する場合」のうち、「地震力を計算する場合」が最も大きくなる。【☓】H30
- 学校の屋上広場の単位面積当たりの積載荷重は、実況に応じて計算しない場合、教室の単位面積当たりの積載荷重と同じ数値とすることができる。【☓】H29
- 教室に連絡する廊下や階段の床の積載荷重は、実況に応じて計算しない場合、教室の床の積載荷重と同じ値を用いることができる【☓】H.27
- 建築物の各部の積載荷重は、「床の構造計算をする場合」、「大梁・柱・基礎の構造計算をする場合」及び「地震力を計算する場合」において、それぞれ異なる値を用いることができる。【○】H27
- 単位面積あたりの積載荷重の大小関係は、実況に応じて計算しない場合、教室>店舗の売り場>住宅の居室である。【☓】H24
- 百貨店の屋上広場の単位面積あたりの積載荷重は、実況に応じて計算しない場合、百貨店の売り場の単位面積当たりの積載荷重と同じ数値とする事ができる。【○】H30,24
- 教室に連絡する廊下や階段の床の積載荷重は、実況に応じて計算しない場合、教室の床の積載荷重と同じ2,300N/㎡としなければならない。【☓】H22
- 倉庫業を営む倉庫の床の積載荷重は、実況に応じて計算した数値が3,900N/㎡未満の場合においても、3,900N/㎡としなければならない。【○】H22
2.風(R.1 H.29,28,26,24,23,21)
風に関しては風圧力自体についてと、風圧力を使った計算に関するルールの2ポイントに大別される。
①風圧力
風圧力Pは多くの変数で表される。
P=q×Cf(N/㎡)
q :速度圧 q=0.6EVo^2
E:速度圧の高さ方向の分布係数 E=Er^2×Gf
Er:平均風速の高さ方向の分布係数
Gf:ガスト影響係数
Cf:風力係数 Cf=Cpe-Cpi
Cpe:外圧係数(屋外から当該部分を垂直に押す方向が+)
Cpi:内圧係数(屋内から当該部分を垂直に押す方向が+)
実際の過去問(クリックすると開きます)
- 風圧力の算出に用いる速度圧qは、その地方について定められている基準風速V0の2乗に比例する。【○】R1 H28
- 基準風速V0は、稀に発生する暴風時の地上10mにおける10分間平均風速に相当する値である。【○】R1
- 風圧力は、一般に、「外装材に用いる場合」より「構造骨組みに用いる場合」のほうが大きい。【☓】R1
- 風圧力における平均風速の高さ方向の分布を表す係数Erは、建築物の高さが同じ場合、一般に、「都市計画区域外の極めて平坦で障害物がない区域」より「都市計画区域内の都市化が極めて著しい区域」のほうが小さい。 【○】H29
- ガスト影響係数Gfは、一般に、建築物の高さと軒の高さとの平均Hに比例して大きくなり、「都市化が極めて著しい区域」より「極めて平坦で障害物のない区域」のほうが大きくなる。【☓】R1 H26
- 閉鎖型の建築物における風力係数は、一般に、その建築物の外圧係数と内圧係数との差により算定する。【○】H24
- 風圧力における平均風速の高さ方向の分布を表す係数は、一般に「極めて平坦で障害物がない区域」より「都市化が極めて著しい区域」のほうが小さい。【○】H24
- 速度圧は、その地方における基準風速、地表面粗度区分及び建築物の高さと軒の高さとの平均Hに影響され、風力係数は建築物の形状に応じて定められている。【○】H23
- 風圧力を算出する場合の基準風速V0は、地方の区分に応じて規定されている。【○】H21
②風圧力の計算のルール
風圧力については屋根、窓、庇について出題されるので、それぞれについて暗記する。
屋根
・屋根葺き材の風圧に対する構造耐力の安全性を確かめる時に高さは関係しない。
・屋根葺き材に作用するピーク係数Cfは骨組みに作用するCfより大きい。(面が大きい
から)
・風圧力の計算はピーク風力係数を利用する。
・庇も建物全体の一部として考えるため、低い位置にある場合でもその高さだけを切
り取って計算することはできない。よって、庇も建物の高さと軒の高さの平均Hで風
圧力の計算をする。
実際の過去問(クリックすると開きます)
- 屋根葺き材の風圧に対する構造耐力上の安全性を確かめるための構造計算の基準は、建築物の高さに関わらず適用される。【○】R2
- 屋根葺き材に作用する風圧力の算出に用いる平均速度圧qについては、気流の乱れを表すガスト影響係数Gfは考慮しなくていい。【○】R2
- 屋根葺き材に作用する風圧力の算出に用いるピーク風力係数Cfは、一般に、構造骨組みに用いる風圧力を算出する場合の風力係数Cfよりも大きい。【○】R2
- 屋根葺き材に作用する風圧力の算出に用いる基準風速V0は、構造骨組みに用いる風圧力を算出する場合と異なる。【☓】R2
- 高さ13m以下の建築物において、屋根葺き材については、規定のピーク風力係数を用いて風力圧の計算をすることができる。【○】H26、24
- 高さ17mの窓ガラスの検討に用いる風圧力の計算においては、ピーク風力係数を考慮する【○】H23
- 高さ5mの庇の風圧力は、庇の高さ5mのみで検討し、建築物の高さと軒の高さとの平均Hに影響されない【☓】H23
- 屋根葺き材に作用する風圧力算定においては、ピーク風力係数を考慮する。【○】H23
3.多雪区域(R.1 H.30,29,27,26,21)
多雪区域は覚えることは
①多雪区域以外における積雪荷重の計算に用いる積雪の単位荷重は、積雪量1cm当たり20kN/㎡以上とする必要がある。
②雪下ろしを行う習慣のある地方では、垂直積雪量が1mを超える場合においても、垂直積雪量を1mまで低減して計算できる。
③下記の組合わせ荷重
G:固定荷重により生じる力、P:積載荷重により生じる力、K:地震力により生じる力
W:風圧力により生じる力、S:積雪荷重により生じる力
※Sが式に有るか、無いか。もしくはSが低減されるか、されないかがポイントになる。
実際の過去問(クリックすると開きます)
- 多雪区域以外の区域において、積雪荷重の計算に用いる積雪の単位荷重は、積雪量1cm当たり20N/㎡以上とする。【○】R1
- 多雪区域において、地震時に考慮すべき積雪荷重は、短期積雪荷重を低減したものを用いる。【○】H30
- 雪下ろしを行う慣習のある地方においては、その地方における垂直積雪量が1mを超える場合においても、積雪荷重は、雪下ろしの実況に応じて垂直積雪量を1mまで減らして計算することができる。【○】H29
- 構造部材に生じる応力度等を計算するに当たり、多雪区域ではない一般の地域においては、暴風時又は地震時の荷重を、積雪荷重と組み合わせなくても良い。【○】H29
- 多雪区域において、暴風時に考慮すべき積雪荷重は、短期の積雪荷重を低減して用いることができる【○】H27.
- 多雪区域においては、暴風時又は地震時の荷重を、積雪荷重と組み合わせるひつようがある。【○】H26
- 多雪区域ではない地域において、暴風時又は地震時の荷重を、積雪荷重と組み合わせる必要はない【○】H21
- 多雪区域内において、長期積雪荷重は、短期積雪荷重の0.7倍の数値とする。【○】H21
4.重量(H.30,27,22)
重量については出題が少ないので、丸暗記する。
①普通コンクリートの単位体積重量は設計基準強度Fcで決まります。
設計基準強度 Fc≦36kN/m㎡ :23kN/㎥
設計基準強度 36N/m㎡<Fc≦48N/m㎡ :23.5kN/㎥
②鉄筋コンクリートの単位体積荷重には鉄筋による増量分として1kN/㎥を加えた値とする。
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